晴れ、時々、運命のいたずら




黄色のパーカーの男性と入れ違いで目に入った男性は確かに見覚えがあった。



(誰だっただろう…。)



目線を顔から体に向ける。


手に何か持っている。


カメラだ。



「あ!」



思い出した。


稔と見に行った松本城で話しかけてきた男性だ。



(どうしてここに?)



「それではこれで13時のイベントを終了致します。Shipのお2人、ありがとうございました!」



「ありがとうございました!」



司会者に促されて挨拶を終えると、香織と愛姫は手を振りながら去っていった。


そのカメラを持った男性もイベントが終わったと同時にその場から離れようとする。


穂乃花はShipがステージ上から去った事を見届けると、すぐに立ち上がり、カメラを持った男性の元へと小走りに近づいて行った。



「ち、ちょっと…。」



声を出して止めようとするも、穂乃花の小さな声では届かない。


必死に追いつこうと、走るスピードを上げる。


そして、歩いているその男性の背中に手を当てる事が出来た。


男性は背中を触られた事に驚き、すっと振り返った。