「ちゃんと話せなきゃ、アイドルなんてなれないぞ!」
「頑張れ有紗!」
クラス中から声がかかる。
その言葉が有紗の胸に響き、その思いが涙となって溢れてくる。
「私は…。」
涙を拭きながら座っているクラスメイトを見つめる。
「私は…、東京で、しっかり頑張ってきます!だから…。」
クラス中が息を飲む。
「だから…、まんのう町に帰った時には…、また仲良くして下さい!」
力強く言った言葉にクラス中がどっと沸いた。
「なんだよそれー。」
「帰って来たらだめじゃん!」
「有紗が俺達みたいな田舎者の相手してくれないんじゃないの!?」
クラス中に起る笑い声。
「いや、あの…。」
少し戸惑いながらも1人1人の顔を見て有紗は内心ホッとした気持ちになれた。
(私は幸せ者だ…。)

