「由利亜。前よりもかなり上達してるじゃない。素晴らしい演奏だわ」
「全然そんな、この前のコンクールは2位だったし。」
「あの時はあなたは怪我をしててなかなか練習できなくて、なんとか本番前に完治してあの演奏でしょ?あなたは1位よ」
母親の自信に満ちた笑みを由利亜は少し困った顔で見る。
「それよりお母様。お父様は?」
「お父様ならあのチョコレートの部屋よ」
「あら、お父様ったら!あんなに大量のチョコレート全部一人で食べてしまう気かしら?」
二人の笑い声が別荘の中で響く。