可愛い娘には裏があった

 そう言ったのはクラス内でもかっこいいと言われている森崎(もりさき)だった。
 明るい茶髪で、ワックスでも使っているのだろう、洒落た髪型だ。
 リア充爆発すればいいのに。

 というか、あんまり喋ったこともない奴に、なんか呼ばわりされる筋合いはないんだが。
 こいつの中では、俺は完全に格下のようだ。
 天羽が格下の俺を呼び出したのが気に食わないんだろうな。
 ただ自分が正しいと言わんばかりの、確信めいた態度だ。
 俺はそういうのはあまり好きじゃない。
 イケメン以前に森崎の性格があまり好きになれなかった。

「一色君に落とし物を拾ってもらって。それで、そのお礼をしてたの」

 天羽はそう言いながら、俺の手にあるパックジュースを見る。
 すると、クラス内の視線も俺の手にあるものに注がれる。
 クラス内の人間も、天羽の言葉と俺のパックジュースに、なるほどといった感じだ。