私はその真ん中にいる牧野くんに

視線を向けた。



「…っ」



今、彼と目があった気がする。

だけど私はすぐに反らした。



「柚子香、そろそろ行かないと

遅れちゃうっ。」



「そうだね、行こっか。」




友だちの西柚子香(ニシユズカ)の手をひいて


教室に向かったのだった。