瑛side

いつの間にか、葵にホンマのこと言えんと入院当日を迎えた。
いつになったら言えるんやろ…。

入院中は暇やから、他に入院してる人の病室で色々と話したりして過ごしてる。
今日はたまたま隣の個室のおばあちゃんのところへ来ていた。

「ばあちゃん入ってもええ?」
「ええよ~。」

椅子に座るとおばあちゃんが聞いてきた。

「瑛くんは今いくつ?」
「17!!」
「おばあちゃんにも瑛くんと同い年の孫がおるんよ。女の子でなぁ。」
「ばあちゃんお孫さんいてるんや!!」

女の子か。どんな子なんやろ?名前を聞こうとしたその時

「あら葵ちゃん来てくれたんやねぇ」

葵…?まさか孫って…

「瑛…?なんで…!!」

葵に合わせる顔がない…
とりあえずここから出よ…

「ばあちゃん!!お客さん来たみたいやしオレ帰るわ!!」
「悪いなぁ。せっかく来てくれたんに」
「ええよ!!ほな!!」

急いで病室の外へ出る。

「ちょ…瑛!!」

葵を無視してできるだけ全速力で走った。

葵の顔…見られへん…