「うん、冗談よ。」
雪ちゃんは、私に同意したけど小声で
「…多分。」と呟いた。
「…。」
赤木くんは、雪ちゃんに冗談ではないと否定され、ついに無言になった。
「嘘だよ。だから、元気出して。」
雪ちゃんは、赤木くんを慰めるように言った。
「…。」
それでも、赤木くんは落ち込んでいるまま。
「私、春の落ち込んでいる姿嫌い。
私が好きになった春は、元気で明るいところよ。だから、元気出して。」
雪ちゃんは、赤木くんに優しく言った。
「雪…。」
赤木くんは、顔を上げて雪ちゃんの方を向いた。
赤木くんの顔は、笑顔だった。
赤木くんを落ち込ませたのも、雪ちゃんなんだけどな…。
赤木くん、気付いてるのかな??

