ねぇ、もう一度。



「……ちゃん?ぉーい結衣ちゃーん?」



その声にハッとする。


声の主は、陸斗くんだった。


「もぅ、1分たってるよ?行かないの?
具合悪い?」



いつまでも動かない私を心配してくれたのだろう。顔を覗き込まれてそんなことを言われた。


『うぅ〜近い………。』


少し緊張……。恥ずかしさで全身が熱い。


恥ずかしさを悟られないように、全力で
首を横に振る。


「ふはっ…かわいぃ」


少しニヤニヤしながらそんなことを言ってくる彼の頭を軽く叩いて、その場から逃げるように私は鬼の役目をスタートした。