ねぇ、もう一度。




前を見ると、ニヤニヤしながら、菜々も


笑っている。



「えっ?状況理解できてないのって私だけ?」



「まぁ、今から教えるから」



そう言って笑った結城先輩の笑顔が黒く見えたのは気のせいではないだろう。


「じゃ、ルール説明。」


『ん?ルール?』



「今からするのは鬼ごっこ。時間は、
男子が70分。女子が50分。」



え、鬼ごっこ?って、小さい頃によくやったあれだよね?


「そうそう。その鬼ごっこ。」



ニヤッとしながらこっちを見てる結城先輩。



「え?私、口に出しました?…。」



それに質問に答えたのは正面に立っている奈々だった。



「ぅん。がっつり。ポッカァーンってしながら」


そんな、菜々の言葉の後にみんなは大爆笑。


『ぅう…………恥ずかしい…。』