ねぇ、もう一度。



「あ、もぅ、男子練習はじめちゃってるし」


着替えが終わりグランドに向かうと男子はすでに練習を始めていた。


「そんなことより、グランド広くない?」


珍しく感嘆の声を上げる菜々の声によって私は、グランドの広さを感じた。


「てかこれ、競技場じゃん…」


唖然とする私。

6レーンまであるレンガ色のコース。
その周りには土トラック。
競技場の中はもちろん芝生で、
幅跳びピット、砲丸のサークル。
その他もろもろホントの陸上競技場だ。

私と同じことを思ったのか、横で菜々もポカンと、口をあけている。


私たち二人は時間が経つのも忘れて、2人でただグランドを見つめていた。


「おぉーいお二人さん、早くこっち来て練習始めるよ?」