──ゲームセンターは、あたしと同い年くらいの人たちで溢れかえっていた。
クレーンゲームに夢中になっている女の子のグループ。
カーゲームに没頭している男の子たち。
珍しいものを見る目で通り過ぎていく、おじいちゃんとおばあちゃん。
いろんな人がいる中で、やっぱり多いのはカップルで来ている人だった。
あたしたちも、あの人たちのようなカップルに見えるのかな。
あたしが翔をゲームセンターに誘った理由は、ただ一つ。
自分がこの世にいたという証を、残しておきたかったら。
矛盾してるかもしれない。
翔には将来、あたしのことなんて引きずらないで、一つの道を辿っていってほしい。
あたしのいない世界で、あたしじゃない人と、幸せに暮らしてほしい。
そうは思うのに、忘れてほしくない、っていう思いもある。
あたしが翔と過ごした時間を、なかったことになんてしたくない。

![[エッセイ]気持ち](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.794/img/book/genre12.png)
![[短編集]恋花](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.794/img/book/genre1.png)
![[極短]限りなく5に近い4](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.794/img/book/genre99.png)