「あ〜、マジありえねえ〜」
「昨日も合コンハズレ?」
「うん、ダメなのばっかだったわ〜。ホントついてないわ〜」
こんなの毎日聞き飽きた会話、
なんの輝きもない中身のない会話、
そう思うかもしれない
でもね、2人と話してる
それだけが学校での楽しみだった
「千春はいいよね〜、イケメンな年上彼氏が居るんだよね〜?」
「ホントマジずるい〜」
さっきから話してるのは
朝倉 麗華(あさくら れいか) と
池本 花音(いけもと かのん)
一言で言えばただのギャルだよ。
意外と良いやつだけどね
それで、私は
川口 千春(かわぐち ちはる)
16歳の高校2年生ってところ
花音が言ったように私には
3歳年上の武藤 翼(むとう つばさ)
ってゆう彼氏が居る。
かれこれ付き合って1年かな
「花音も彼氏欲しい!」
「長続きしないし、一人だけとか無理なくせに?」
「うっわ、なにそれ〜 嫌味?千春うっざいわ〜」
「麗華も千春に同感だけど〜」
毎日笑ってられる
だから、幸せだった
ただただ幸せだと思ってた
「ごめん、保健室行ってくる…」
突然の吐き気とめまいに襲われた
「お、千春大丈夫?」
「よゆー」
そう言い残して真っ先に
保健室へと駆け抜けた
この景色が、学校の景色が、
あと少ししか見れないなんて
その時は思ってもなかった。

