いつまでも君が好き

 それでもなんとか口を動かし、

「じゅ……じゅん、と……?」

 途切れ途切れにだが、その名前を呼んだ。

 自分の名前が耳に届いた準斗は、にこりともう一度微笑む。

「うん。なに疑問形で尋ねてるの。穂乃果の知ってる『準斗』は、僕しかいないでしょ」

「そう、だけど……」

 『なぜ、準斗は今も生きているのか』。準斗には失礼だけど、そんな疑問が頭の中を駆け巡る。

 準斗も私の疑問に気付いているのか、少し顔を曇らせながら、

「僕が今ここにこうしていられる理由は、後で話す。……だから今は、ちょっと待ってて」

 そう言ってから、男の人へ顔を向けた。

「なっ……。何なんだよ、お前は……」

 準斗と視線が合わさった男の人が、数歩後ろに下がる。しかし準斗は、男の人との間合いを詰めるために、数歩前へと歩んだ。

 男の人の右手が、準斗へと向けられる。

 その手には、先ほど準斗を刺したナイフが握られていた。

「こっ、このっ……。来るな、来るなよ……」

「なんでそんな逃げ腰なんですか? 僕は武器、何も持ってませんけど」

「い、いいから、ど、どど、どっか行けよっ!」

「貴方が慌てる理由が分かりませんよ」

 ゆっくりと後退する男の人と、ゆっくりと前進する準斗。

 二人の距離はつかず離れず、一定の距離を保っていた。

 しかし、それももう少しで終わる話である。そのことは、私にも目に見えていた。