いつまでも君が好き

「何をイチャイチャやってんだ。お気楽なカップルだな」

 男の人が、若干呆れたような口調で言い、

「……お気楽? どこの目がそんな幻を見てるの?」

 準斗はやや挑発するように言い返した。

 思わぬ反撃に、男の人が「うっ」と喉を鳴らす。

 強気な準斗に、男の人は動揺しているはずだ。それもそうだろう。

 普通だったらこんなところで、ナイフを持った大人の男の人に、抵抗する子供なんているはずがない。

 けれど準斗は違った。

「僕と彼女がお気楽そうに見えるなんて……。よっぽど目が悪いんだね」

「きっ、貴様ぁ!」

 準斗が言い終わらぬうちに、男の人は動き出していた。

 左脇に抱えていた鞄を床に投げ捨て、右手のナイフはお腹の前に構える。

 そして身軽になった状態で、準斗目がけて突進を始めた。

「準斗!」

 私の口は勝手に開き、彼の名を呼ぶ。

 男の人と準斗の距離は、あっという間に縮んでしまった。

 次の瞬間、男の人の腕が、準斗の腹部へと真っ直ぐに伸びるのが見えた。

 それと同時に手に握られていたナイフも伸び、準斗の腹部へと迫る。

 そしてナイフは確かに、準斗のお腹へと突き刺さった。