いつまでも君が好き

 すっくとその場に立ち上がった準斗を見て、一瞬息が止まりそうになった。

 な、何やってるの準斗! 大人しくしてようよ!

「じゅ、準斗、何して……」

 私の声に反応した準斗が、ゆっくりとこちらを振り返る。

 幸い、男の人にはまだ気づかれていないようだった。

「何、って?」

「そ、そんな立ったりしたら……目立っちゃうし……」

 私は慌てて準斗を座らせようとするが、準斗は特別焦る様子もなく、

「穂乃果はさ、嫌じゃないの?」

 呟くような小さな声で、そう尋ねてきた。い、嫌……?

「嫌って、何が――」

 私が準斗に聞き返そうと、言葉を発した瞬間だった。

「あぁ?」

「ひっ!」

 男の人が私達のやり取りに気付き、こちらをギロリと睨んできた。

 その眼光の鋭さに驚き、私は思わず悲鳴を発してしまう。

 男の人は立っている準斗へと視線を向けると、あからさまに不満そうな顔を作った。

 や、やばい……!

 私は準斗に、「早く座って」と伝えたくて、準斗の服の裾を引っ張る。

 しかし準斗は、こちらに向かってくる男の人を、ただ黙ってじっと見つめているだけだった。

「何なんだよ、お前は」

 男の人は準斗の五歩くらい手前までくると、その位置でピタリと止まって口を開く。

 しかし準斗はそれには答えずに、男の人へ視線を向けているだけだった。