いつまでも君が好き

「も、もう! ちょっと準斗いい加減に……」

 私が言いかけた瞬間、

「「「きゃああああああああ!」」」

 何人もの、激しい悲鳴が聞こえてきた。

 悲鳴が発せられた場所は、私達のすぐ近く。

 私と準斗が乗っているのは、三号車の後ろの方で、悲鳴が聞こえたのは、同じ三号車の前の方だった。

 同じ車両なのに、今まで異変に気付かなかった。

 一体、前方で何が……?

 私が身を乗り出して、前方である右方向を見ようとすると、

「……待って」

 いつの間にか真剣な顔をしていた準斗が、すっと体の前に手を出してきた。

 私の目は、自然と準斗へと向く。

 準斗は真剣な眼差しで、前方を見つめながら言った。

「僕にもよく分からないんだけど、見た感じ……ひったくりの強いバージョンかな」

「強いバージョン……?」

「うん。帽子にサングラスにマスクをした男の人が、なんか高級そうな鞄を左手に、右手にはナイフを持っている」

「それって……、この車両に乗ってる人から鞄を奪い取って、さらに手が出せないように脅してる、ってこと……?」

 私と準斗は、小声で会話を交わす。

 私の言葉に、準斗はゆっくりと頷いた。

 な……何この状況……。はっきり言って、意味が分からない。

 私はただ、準斗に誘われて、一緒に動物園に行こうとしてただけなのに……。

 どうして、こんな事件に巻き込まれなくちゃいけないの?

 不安、恐怖、その他にも色々な感情が、私の頭の中を駆け巡り始めていた。