いつまでも君が好き

 電車の中。

「さっきも言ったけど、ここから一時間くらいかかるからね」

 準斗は人差し指を立てながら、こちらに振り返ってそう言った。

 たったそれだけのことなのに、私の心臓はドキリと鳴った。

「うっ、うん……結構遠いよね」

「そうだね」

 ドギマギしちゃって、上手く話せない。

「ねぇ穂乃果」

「ん、なに?」

 私だけが気まずいと思っている空気の中、準斗が話しかけてきた。

 今度は普通に、短いけれど言葉を返すことが出来た。

 しかし、冷静になってきた私の気持ちを、準斗はまたしても崩してきた。


「穂乃果ってさぁ……。好きな人、いる?」


「っ……!」

 驚きのあまり、声が出ない。

 な……なんてこと聞くの、準斗は!

 しかもこんな……、自分の気持ちに、ちゃんと気づけたばかりな時に!

 まぁそれは、準斗は知ってるはずないから、怒っても仕方ないのだけれど。

 とは言っても……、タイミングが悪いのは確かだった。

「わ……私の……好きな、人?」

「うん」

 私が聞き返すと、準斗は頭を縦に振った。