いつまでも君が好き

 私よりも先を行く準斗を早足で追いかけ、隣に並ぶ。

 今の私には、これくらいのアピールしかできない。

 実際にはアピールともいえない、軽いものなんだけどね……。

「ねぇ、準斗」

「何?」

「ちょっと遠くに行くって言ってたけど、具体的にはどこに行くの?」

 さっきから地味に気になっていたことを質問してみる。

 準斗は「ああ」と、何かを思いついた時のように拳で手のひらを叩くと、

「実は、動物園なんだけどね」

 人差し指を立てながら、そう言った。

 うっ……。ど、動物園かぁ……。

 正直、動物園はあまり好きじゃない。
 いや、好きじゃないというか、苦手だ。

 小さい頃から、私は動物が苦手だった。

 水槽の中などでおとなしくしている動物や、インコやハムスターなどの小動物なら、まだいい。

 けれど、犬や猫などになると、もう無理だった。

 近くに寄ってこられるのも怖いし、泣いたこともあるくらいだ。

 だから、動物園という、あんなにもたくさんのアニマルさん達がいる場所には、できれば行きたくないものなのだ。

「そ、そう……動物園か……」

 とはいえ、ここで「そんなところには行きたくない」と言うことなんてできない。

 準斗がせっかく一緒に行こうと誘ってくれているのに、それを断るなんてもったいないからね。

 私の呟きに、準斗は「うん」と微笑みながら頷く。

 楽しげな表情を浮かべる準斗を見たら、ますます言いづらくなってしまった。