いつまでも君が好き

「別に無理にとは言わないよ。穂乃果が決めていい」

「わっ、分かった! 行きたい!」

 思い切って言ってしまった自分に、自分でびっくりする。

 正直な話、とても行きたいと思った。

 それは私が、電車に乗りたいとか、お出かけが好きだからとか、そういう理由なんかじゃなくて。

 ただ、準斗と一緒にいたかったから。

 それを聞いた準斗は、二コリと微笑んでから頷き、

「そう言うと思ったよ、穂乃果のことだから」

 あははと笑いながらそう言い、駅の方へと歩き出した。

 その後ろを、慌てて追いかける私。

「ちょ、ちょっと待って!」

「何~?」

「私、準備とか何にもしてないんだけど……」

 図書館に行く気で出てきたのに、電車に乗ることになるなんて、誰が考えられるでしょう。

 もちろん装備も少なく、お金さえ持っていなかった。

 そんな私を振り返って見た準斗は、

「うん、そこは分かってるから、気にしなくていいよ」

 爽やかな笑みを浮かべながら言った。

 き、気にしなくていいって言われても……。

 お金をはじめ、色々と必要でしょうに……。

 しかし準斗は、私の心を読んだかのように、私の不安に答えてくれた。

「電車の代金なら僕が払うし、特別な持ち物はいらないから。それに、他にも不安はあると思うけど、その時は僕がフォローするからね」

「じゅ、準斗……」

 私の頬に、ゆっくりと赤みがさしていく。
 頬が熱い。

 もう、準斗ったら……嬉しいこと言ってくれるんだから……。

 ちょっと恥ずかしかったけど、心配することはなくなったので、私は準斗の後を追いかけていった。