あれから一週間が経ち、夏休みももうあと三週間になった。

 長い休みが終わりに近づいていくのは、心苦しい。
 誰だってそう思うだろう。

 準斗からの連絡は、あれ以来全くなかった。

 夏風邪でも引いてしまったのだろうかと、心配になる。

 その反面、会えないで良かったという気持ちもまた、私の心の中にはあった。

 会えてもぎこちなくなりそうだったから……。

「ふぅ~……」

 自室の床に仰向けに寝っ転がり、ぼんやりと天井を眺めてみる。

 
 ――準斗。

 ――準斗、私ね。

 ――本当は、貴方のこと……。


「っ!」

 ぼーっとしてると、つい準斗ことばかり考えてしまう。
 これでは駄目だ。

 私はがばっと勢いよく上半身を起こし、頬をぺちぺちと叩いてみた。

 続いて深呼吸をして、気持ちを落ち着ける。

「……よしっ!」

 気持ちを入れ替えた私は、気晴らしに図書館へと行くことにした。

 図書館は冷房がきいていて涼しいし、静かでとても安心できる場所だ。

 一階に下りてお母さんに許可をもらい、必要最低限のものだけを持つ。

「行ってきま~す」

 そして、玄関から外へと飛び出した。