いつまでも君が好き

 呆然と自分の手を見つめている私を不審に思ったのか、準斗は首を傾げながら聞いてきた。

「穂乃果? どうしたの?」

 その声にはっと我に返り、私は視線を準斗の目に合わす。

「……穂乃果?」

「準斗……」

 準斗には、なぜ私がこんなにも不安そうな表情を浮かべているのかが、分かっていないようだった。

 私は、この状況を何と説明したらいいのか分からずに、ただ準斗の目を見つめながら、そこに立っていることしかできない。

「もう……どうしたの?」

 準斗の笑顔が、今は苦しい。

 もしかして準斗、私に何か隠してる……?

 そう思って、準斗に手のことを尋ねようとした、その瞬間だった。

「乗りますか?」

 バスの運転手さんに声をかけられ、私と準斗は慌てて「はい」と答える。

「では、準備ができましたらお早めにお願いいたします」

「すっ……すみません」

 バスを待たせていたことに罪悪感を感じ、私は軽く頭を下げた。

 準斗も「ごめんなさい」と運転手さんに謝りながら、私をおいてバスに乗ろうとする。

 私は急いで準斗の後を追い、バスに乗り込んだ。

 行きと同じように、二人で並んで一番後ろの席に座る。

 そっと準斗の手を確認してみたけど、その時にはもう、準斗の手は透けてなんかいなかった。