いつまでも君が好き

 準斗はいつもより大人っぽくて、すごくかっこよく見える。

 頼もしい、強い男の子に見える。

 友達っていう意識しかなければ見られなかった準斗が、今は見ることができた。

 と、その時、向こうからバスが近づいてくるのが分かった。

「穂乃果、バス来たみたいだよ」

「うっ……うん」

 準斗は近づいてくるバスを眺めながら、すっと私に手を差しだしてきた。

 自分の気持ちに気づかないままだったら、素直に準斗の手をとるなんてできなかっただろう。

 きっと海へ来る前みたいに、恥ずかしくって拒否するはずだ。

 でも今は、恥ずかしい気持ちより嬉しい気持ちの方が勝っていた。

 だから私は、黙って準斗の手を握――ろうとした。

 しかし、それをためらわせてしまうものが、私の目に飛び込んできたのだ。

「えっ……?」

 思わず声を漏らす。

 私の視線の先には、透き通るような準斗の手があった。

 ……いや、透き通る"ような"ではない。


 準斗の手は、透き通っていた。


 指の先の方だけだが、透明に透けて地面が見えている。

 遠くから見れば、指の先が欠けているように見えるはずだ。

 これは……私の目がどうにかしてるの……?
 人の手が透けているように見えるなんて……。

 自分で自分に問いかけてみるものの、それに答えてくれる人は、ここにはいなかった。