いつまでも君が好き

「も、もうっ! 準斗くんったら!」

 変なこと考えさせて……怒ってるよ!
 そんな感情を伝えたくって言ったのに、準斗くんには伝わらなかったらしい。

「だから、"準斗くん"じゃないでしょ」

 準斗くんはそこで、悲しそうな表情を消した。

 そして、私の苦手ないたずらっぽい笑みを浮かべる。

 くん付けするなって言われても……、そんなこと、したことないし……。

 そうなのだ。

 私は、いくら男子とはいえ、呼び捨てをしたことがなかったのだ。

 クラスの人や学年の人には、絶対に『くん』『ちゃん』を付けている。

 同学年なんだから、と思う人もいると思うけど、なんか失礼になるような気がするから。

 だから私は、今までにそんなことをしたことなんて、一度もなかった。

 なのに準斗くんは、こんなお願いをしてきている。

 さっきは単純なんて思ったけど、やっぱり難しい。

「あ……、あのさ、準斗く――」

「おぉっと、その先は言わない方がいいと思うよ?」

 あんまり見ることのない、ニンマリとした笑みを浮かべる準斗くん。

 そ、そっか……。呼び捨てしないといけないのか……。

 しかし、頭では分かっていても、実際に行動に移せないのが人間。

 私ももちろん、その中の一人だ。

 分かってはいるが、呼び捨てなんて、そう簡単にはできない。

 今までが今までだし、それに相手は男の子だ。


 加えて……準斗くんなんだから……。


 ……ん? "準斗くんなんだから"?

 自分が思ったことに、一瞬疑問がわいた。