いつまでも君が好き

 私と準斗くんとの距離は、あと十センチもない。

 準斗くんが、ほんの少し顔を傾けた。

 私は何もすることができないまま、準斗くんの目だけを見ていた。

 ……こ、これが……初めての……。

 距離はあと五センチ、四センチ、三センチ……。

 ゆっくりだけど着実に縮まっていき。


 そして、止まった。


 いくら待っても、それ以上、準斗くんの顔が近づいてくることはなかった。

 あ……あれ……?

 やがて、準斗くんはふっと態勢を元に戻し、

「……穂乃果」

 静かに、私の名前を呼んだ。

「なっ……なぁに?」

 緊張して、変に声が上ずってしまう。

 準斗くんは表情を変えずに、私の目をじっと見つめてきた。

 な……、なんだろう、そんな改まって……。

 私は動かずに、準斗くんの言葉を待った。

 しばらくそんな態勢が続き――、

 やっとのことで、準斗くんは口を開いた。


「"準斗"って呼んで」


「……え?」

「だから、くん付けなんかしないで、呼び捨てで呼んで」

 何を改まっていたのかと思ったら……。

 そ、そんな単純なことだったのっ!?

 あぁ……、これから何をされるのかとか、そんなことを考えていた私がバカだった……。