いつまでも君が好き

 そうだ、思い出した!

 彼女達は、同じクラスの桐生(きりゅう)さんと、名古屋(なごや)さんだ。

 こんな私にも声をかけてくれるってことは、二人は優しい心の持ち主なんだろうけど、人見知りな私からすれば、ちょっとした迷惑だった。

 とはいえ、無視するのはいけない。

「あっ……。桐生さん、名古屋さん」

「笹山さんも、遊びに来てたの?」

 いつも元気な桐生さんは、にこにこと人懐っこい笑顔を、私に見せる。

 太陽みたいに笑うんだなぁ……。

 クラスメイトの前でも固くなってしまう私には、到底無理だと思った。

「今日は暑いもんね、海来たくもなるさっ! ねっ、美優」

「そうだね~」

 美優(みゆ)と呼ばれたもう一人の人が、いつも穏やかでマイペースな名古屋さん。

「わたしも暑くって、由香と一緒に来ちゃったよ」

「いーじゃん、海は風が入ると涼しいしさ」

 桐生さんは下の名前を、由香(ゆか)というらしい。

 こんなことも知らなかったなんて……、クラスメイトなのに……。

 今、自分の社交的のなさを実感する。

 いつも思うんだけど、この二人って全然性格違うのに、よく一緒にいて苦にならないなぁ……。

 失礼にならないように、それとなく聞いてみることにする。