いつまでも君が好き

　焦っていると、準斗くんは私とは反対に、ぷっと吹き出した。

　……え？　ちょ、ちょっと準斗くん？

「あはははははっ！」

「え、な……なに笑ってるの？」

「いや、ごめん。穂乃果が面白くって」

　地味に傷つくことを言ってくる準斗くん。
　面白いって……、何がよ。

「どういうこと？」

　私が聞くと、握った手にさらに力を込めながら、準斗くんは言った。

「分かってるよ、そんなこと。だから、そんなに焦らなくてもいいって」

「……そ、そう」

　分かってて言ったのか……。『"まだ"ってどういうこと？』って。

　い、意地悪だなぁ、準斗くんは。

「も、もうっ！　準斗くんのいじわ――あっ！？」

　言いかけて気づいた。

　準斗くんが浮かべている、今までとは少し違った、優しい笑顔に。

　私だけに向けられている、その笑みに。

　よく分からないけど、準斗くん本人が、いつもとはちょっと違う気がした。


　――ドキドキする。


　楽しいわけでも、緊張してるわけでもない。

　なのになぜだか、胸がドキドキと鼓動を打っていた。

　わ、私……私……。