いつまでも君が好き

 しばらく海を眺めていた準斗くんだったけど、

「あー……、そろそろ行こうか」

 最後に、気持ち良さそうに海風を吸ってから、私に向かって手を差しだした。

 えっ!? ちょっと、また!?

 驚いたけど、同時に嬉しさにも包まれる。

 準斗くんが、私と手をつなごうとしてくれてるなんて……。

 差し出された手に、自分の手をゆっくりと近付けていく。

 今度はちゃんと準斗くんの手を掴むことができた。

 準斗くんを見上げると、安心したような表情が、その顔には浮かんでいた。

 公園で見たときは、悲しそうだったけど……。どうかしたのかな?

 いろいろ気になる点はあるけれど、今はそれよりも期待が胸を膨らませていた。

「あはは、穂乃果の手って、あったかなぁ」

「そ、そうかな……?」

 準斗くんに言われて気づいたけど……。

 私の手は、そんなにあったかいわけではない。

 むしろ冷たい方だと思う。私って冷え性だから。

 なのに……あったかいなんて……。

 準斗くんの手が、冷たいだけなんじゃないのかな?

 温度を確かめるために、準斗くんの手を軽く握ってみるが、準斗くんの手はちょっと冷たいだけだった。