いつまでも君が好き

 やがてバスは、海に一番近い停留所に停まった。

 準斗くんが先にバスから降りて、それに私も続く。

 ……うわぁ。

 すぐ目の前には、きれいな海が広がっていた。

「きれいだね、こんなところ、初めて来たよ」

 すぐそばに立つ準斗くんは、文字通り目を光らせていた。

 でも、『初めて来た』って……。

 準斗くんは、この町に引っ越してきた人なのかな?

 小さい頃からこの町に住んでいて、それでもこの海に来たことがない人は、かなり少ないと聞く。

 だとしたら準斗くんは、引越者なのかもしれないな。

「来れて、よかった」

 準斗くんは幸せそうに、うっすらと笑みを浮かべながらそう言った。

 そう言ってもらえて、私は何よりだと思った。

 準斗くんに喜んでもらえて、私も嬉しい。

 こうやって人の喜びを分かち合うなんてやったことないから、ちょっと複雑な気持ちだったけど……。

 そういうのって、すごく心があったかくなるなって感じた。