いつまでも君が好き

 早速私達はバスに乗り、海を目指すことにした。

 二人で並んで座れるようにと、一番後ろの長イスに座る。

 バスは思ったよりも心地よく揺れて、眠気を誘ってくる。

 おかしいなぁ……、昨日はちゃんと寝たはずなんだけど……。

 私は薄れていく意識の中、隣の準斗くんに視線を振った。

 準斗くんは前だけを見つめていて、私の視線には気づいていないようだ。

 準斗くん……。あなたと一緒に海に行けて、本当に嬉しいよ……。

 私はぼーっとしながら、ただひたすら心の中で、準斗くんに感謝し続けた。

 ありがとう、友達になってくれて、本当に、って……。

 いつも一人だった私を、楽しい世界に導いてくれて……。

 友達っていいもんだよって、口では言わないけど、教えてくれて……。

 なんて言ったらいいか分かんないけど、とにかく、ありがとうって。

 心の中で言うことしかできないけど、感謝しています。

 いつか準斗くんに、自分の口から言えるようになるといいなぁ……。

「ふぁ……」

 思わずあくびが出てしまい、

「穂乃果、眠いの? 昨日ちゃんと寝た?」

 準斗くんに、面白がられてしまった。
 もうっ! ちゃんと寝ましたよ、ちょっと気持ちは高ぶってたけど!

 今日のことが楽しみで、ね。