優はここに残るか追いかけるか、迷っているようだった。

「…行ってあげて。」

あたしは濡れて顔に張り付いた髪をそっと払って、優に言った。
「え?」

「奈子のところに、行ってあげて。あたしは、大丈夫だから。」