奈子はまだ行けそうな感じじゃない。 病室に入ると、病院独特の消毒液の匂いがツーンと鼻をついた。 「晴兄…。」 あたしは眠る晴兄に駆け寄る。 ゆっくり上下する胸を見て、生きていることを確認できてホッとした。 「お兄ちゃんっ!!」