『ぇ…っ…』
辺りはすでに真っ暗で窓から照らされる月の光だけ
だけど…それだけじゃなかった…
[みぃつけた…]
顔は暗くて見えなかったけど格好や声で私くらいの男子が目の前に立っていた
どうしよう…
緊張と恐怖で体が動かない
きっとこう言うのを金縛りって言うんだ
恐怖のあまり体の震えが止まらない
つれてかれちゃうっ…
だけど私の想像とは反対に彼は何もしない
そして…
[…でも残念…時間切れ…]
そう笑っているかのように言って消えた
ペタン…
私は腰が抜けて床に座り込んだ
でもなぜだか…あの男の子が私には悲しく寂しそうに感じた
「なっちゃん大丈夫!」
さっきまで目を閉じてたみおんちゃんがロッカーから出て心配してくれた
『うん…大丈夫…』
その後すぐにどこかに隠れていたれいちゃんとゆうりちゃんがきた
「今すぐ出よ!」
れいちゃんが顔を真っ青にして言った
『でもみいちゃんがいないよ!』
「急がないとあいつがまた来るよ!」
れいちゃんが怒鳴るように言う
『みいちゃんを置いて行けないよ!それにさっきの悲鳴…』
あれは絶対にみいちゃんだった
「もしかしたら先に外に出たのかも…私三階に隠れてたけど悲鳴…一階辺りで聞こえたよ。でもここに来るまで誰も見なかったし」
ゆうりちゃんが落ち着かせるように言った
『でも…』
すごく…嫌な予感がする…ここで帰ったらずっと会えないような…
そうは思っていてもゆうりちゃんとれいちゃんの話に私はうなずくことしかできず私達は旧校舎を出た
もしかしたら旧校舎を出たら「遅い~」と言うみいちゃんがいる
そんな希望を持ちながら…―