ほのかな香り


「え、お前それで終わり?
他になんかないのかよ〜」
「俺はもういいんすよ。」
そう言って藤崎先生は、
とても優しくて甘い笑顔を向けた。
さっきまでの凛々しさが、
一気に柔らかくなる。
なんて優しい目をするんだろう…

自分のことを話さない藤崎先生の
代わりに、岡本先生が捕捉する。

「藤崎先生はバスケ部の
顧問をしている。
歳は俺より1つ下。
新任の先生だからこう見えて
緊張していると思うから
みんな仲良くしてな。」

2人の雰囲気は和やかで、
藤崎先生は岡本先生とはもう打ち解けているみたいだ。