『こんにちは、芹沢です。
お久しぶりです。』
『久しぶり。
体調はどう?』
『まだ少し、よくないです。』
『そうか…
あ、ごめんね。急に』
『大丈夫です。』
電話をかけてきたのは、私の上司。
なかなかの無愛想なのに、今日は珍しく笑顔がある。
『どうしたんですか?』
『え?』
『なんか、いつもと違うなと思いまし
て。』
『あぁ、私、結婚する事になって。』
だからか…
『あ、そうなんですか!
おめでとうございます!』
それで、なんで、呼び出したんだろう。
『あ、それで、今日は…』
『今日はね、芹沢さんに手紙が届いてて
だから、きてもらったんだけど。』
手紙…
『あの、誰からきたかわかりますか?』
『うーん…
神崎さんって書いてある。』
神崎…
まさか!
かなり、動揺した。
でも、平然を装った。
『そうですか…
わかりました。
ありがとうございました。』


