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 先輩と「お友達」になってから、一週間が過ぎた。

 一日置きの頻度で、メールのやり取りをしている。
 といっても、私が一方的な挨拶や近況報告を送ると、それに対して返信をくれるという感じで。

 自習するときに私を誘う、という母との約束を気にかけてくれているようで、「なかなか誘えなくてごめん」という文言を何度かもらった。

 そして今朝、

『今日バイト休みって言ってたよね? 午後から一緒に勉強する?』

 というメールが来た。

『します! 超します!』

 ソッコーで返事をして、浮き足立つ。何着て行こう?

 この前の園田先輩は、まさに「夏のお嬢さん」という出で立ちだった。それが先輩の好みなら、私もその路線で行こうかな。
 でもパクリってのも、オリジナリティがないし。真似したところで、到底オリジナルには勝てない。

 うう~ん、私は何を売りにしたらいいんだろう。私なりの良さって、あるのかな?
 鏡を前に唸っていると、先輩からの返信メールが届いた。

『じゃあ、午後二時に。うちで自習でも大丈夫?』

 うちで自習? えっ、「うち」って……

『友永先輩のお宅で、ですか?』

『うん。うちでもいいかな? この前聞いた、古賀さんの独自的な記憶術。ああいうの、色々古賀さんと話し合いたくて』