Love Song

急がしいのは、今だけ、、、


来年になれば、時間を持て余しているだろう。


お金だって、一生掛かっても使い切れないくらい手にした。


欲しいものも、得にない。


普通に暮らしていくなら、働かなくても暮らしていける。


何処か遠い遠い田舎に行って、静かに1人で暮らそう。


ひっそりと、、、


その為にも、今は死にものぐらいで食らい付く。


大賞を取るために、、、


「、、、愛莉。愛莉は、、、音楽を捨てられないよ」


眉を八の字に曲げ、初音さんが言う。


「社長のやり方は、横暴だったかもしれない。だけど、、、あたしは社長のやり方は間違ってないと思う。だって、、、あんなやり方でもしなきゃ、愛莉は歌ってくれなかったでしょ?」


その、初音さんの言葉に、あたしは口を閉ざす。