「でも、こんなやり方で、、、愛莉自身が潰れたら、、、」

「それはねぇ。今のあいつには、守るモノがあるからな。守るモノがある人間は強い。だからこそ、あいつの作る歌は売れるんだ。人の心を引き付けるから、な」


社長は初音の頭を優しくポンッと、撫でる。


「俺だって、あいつの歌が好きだ。だからこそ、あいつの声で聴きたい。どんなに実力のある奴らがあいつの歌を歌ったところで、airaと言うアーティストを超えられる人間は居ねぇ」


その為に、社長はこんな乱暴な手段に出た。


そうでもしなきゃ、愛莉が自分の歌を歌うことなんてないと、、、


この5年、愛莉を見てきて思ったからだ。


そんな社長の気持ちを、あたしは、、、


これぽっちも、知らなかったけど、、、