「ごめん、先帰るね!」



バイトを始めた舞歌は、帰りのHRが終わると1人で帰るようになった。



凌くんの誕生日に買いたいものがあるから、そのための資金なんだって。



そのあとは詩乃と2人でおしゃべりをする。



5時くらいになると部活を終えた森田くんが詩乃を迎えに来て、恋人2人で帰る。



私はというと、2人がある程度先まで歩いただろう頃を見計らって教室を出る。



家に着いても、誰もいない。



お母さんは仕事、お兄ちゃんは転勤で四国のほうへ、弟は夜遅くまで帰らない。