なんで。 なんで、先輩はこんなに優しいんだろう。 なんで、先輩はこんなに強いんだろう。 そして、深雨先輩が言ったのは… 「私は、秀くんが好き。 こんなに思えたのは、初めてで…だから、その…」 迷いながら、言葉を探しながら言うその姿は、とても“愛しい”と思えた。 気付くと体が勝手に動いていて。 「しゅっ、秀くんっ!?」 僕は大好きな人を抱きしめていた。 「先輩、離れていても…僕が好きなのは先輩だけですから…」