そう言った百合子さんは、私を見た。
「あなた・・・スタジオから出て行って」
「え・・・」
「気が散るのよね」
「・・・申し訳ありません。・・・では、後は村上が。
村上君、後お願いね」
「ちょっ春夏サン!」
私はスタジオの出口へ向かった。
百合子さんの声が私の背中を押した。
「この前の雅也との撮影は気持ち良くて、昔の彼を思い出したわ。
あの激しさとテクニックはちっとも変ってなかったわ・・・って、
手ほどきして教えた私が言うのもなんだケド」
私は聞こえないフリをして出口を目指す。
「予定に無いキスまで何度もしてきて、参ったわよ」
「・・・っ」
・・・泣いちゃだめだ。今は仕事中なんだから。
自分に言い聞かせてスタジオを出た。
ドアを閉めると、廊下には誰もいない。
今にも溢れそうな涙を堪えて、私はスタジオの屋上へ行き
深呼吸した。
「雅・・・也・・・」
朝、付けてもらったキスマークに服の上から手を当てると
一気に涙が頬を伝い、零れ落ちる。
・・・分かっていた事。
例え百合子さんが予定通りスタジオ入りしてくれても、すんなり
撮影が進むわけがないだろうと・・・
どんな仕打ちでも耐えられるようにと、お守り代わりに
キスマークを付けてもらったつもりなのに・・・
「あなた・・・スタジオから出て行って」
「え・・・」
「気が散るのよね」
「・・・申し訳ありません。・・・では、後は村上が。
村上君、後お願いね」
「ちょっ春夏サン!」
私はスタジオの出口へ向かった。
百合子さんの声が私の背中を押した。
「この前の雅也との撮影は気持ち良くて、昔の彼を思い出したわ。
あの激しさとテクニックはちっとも変ってなかったわ・・・って、
手ほどきして教えた私が言うのもなんだケド」
私は聞こえないフリをして出口を目指す。
「予定に無いキスまで何度もしてきて、参ったわよ」
「・・・っ」
・・・泣いちゃだめだ。今は仕事中なんだから。
自分に言い聞かせてスタジオを出た。
ドアを閉めると、廊下には誰もいない。
今にも溢れそうな涙を堪えて、私はスタジオの屋上へ行き
深呼吸した。
「雅・・・也・・・」
朝、付けてもらったキスマークに服の上から手を当てると
一気に涙が頬を伝い、零れ落ちる。
・・・分かっていた事。
例え百合子さんが予定通りスタジオ入りしてくれても、すんなり
撮影が進むわけがないだろうと・・・
どんな仕打ちでも耐えられるようにと、お守り代わりに
キスマークを付けてもらったつもりなのに・・・



