・約束・2


「小田!」

「はい?! 今行きます」

部長に呼ばれ、デスクへ向かう。


「何か?」

「新しい名刺だ」

引き出しから、部長は新しい名刺を出して渡してくれた。



「あれ?・・・私、さっき変更のお願いしたばかりですよね?」

・・・何でもう出来上がってきてるの?・・・


「先に・・・作っておいてくれたんですか?
もし、私が旧姓のままで働くって言ってたら無駄に・・・」


「お前の事だ。必ず変更すると言って来るの分かってたからな」

部長は少し自慢気に言う。


「あはっ・・・よく御存じで・・・」


「長い付き合いだからな」

そう言って、私の手に名刺の入ったケースを載せた。


「改めて、入籍おめでとう。 幸せになれよ」

「はい。部長。 ありがとうございます」

デスクに戻り、名刺ケースを開け、中から一枚取り出した。
『大木 春夏』 名刺には雅也の苗字・・・


「ふふっ」

・・・嬉しい・・・こういうの見てると
少しずつ、入籍した実感が沸いてくる。