・約束・2

「アンタと出会うのが遅かったなぁ・・・って」

村上君の瞳が私を映している。


「遅いとか・・・」



「だって、先に出会ってたら分かんなかったじゃん」


「・・・何、言い出すのよ。冗談やめてよ」




「冗談でこんな事、仕事先で言うわけねーじゃん」

確かに、真顔だ・・・
とても嘘ついてるとは思えない。


「あの・・・むら・・・」




『コンコン、ガチャッ』

「すいません、お待たせしました」

私の言葉を遮るように、
百合子さんとマネージャーさんがノックをして入室してきた。


「今日は衣装の最終打ち合わせでしたよね」

マネージャーさんが早口で話している。
私は、何だか頭が混乱してしまって耳に入ってこない・・・


「この10パターンから、CM用とスチール用に選んでいただけますか?」

私の代わりに、村上君がテキパキとその場を仕切っていた。


彼は、やる気を出せば‘かなり’デキる奴だった。