・約束・2

「きっと、素敵な家族なんでしょうね」


「えっ?」


「小田さん、仕事してる時の顔がイキイキしてる」


「あっ・・・いやぁ・・・そうです・・・か?」




瀬戸川さんはグラスに口をつけ、一口飲むと
「ふーっ」と、息を吐いた。



「・・・私も、子供を産んでおけばよかったなぁ・・・」

しみじみと言う彼女は少し寂しげだ。


「あの・・・」


「・・・私、一度ダメになった事あるのよ」


彼女から、爆弾発言が飛び出した瞬間。
私の思考回路が停止した。


「昔、付き合っていた彼との間にね・・・でも、どうしても女優を続けたくて
 彼には何も言わずに病院へ・・・」


「・・・それ・・・って」


・・・それって、雅也のコト?

2人の間には・・・