・約束・2

「ちょっ・・・やだっ!」





「プッ・・・あははっ冗談だよ」

サッと身を離した部長は大笑いしている。



「・・・もぉ、冗談キツイ!!」


「悪い悪い・・・正式に‘大木春夏’になったら教えろよ。
 名刺とか変更しなきゃいけないし」



「あ・・・そうですよね・・・」


「まぁ、今までの実績や仕事上の付き合いなんかもあるから、
 仕事の時だけ旧姓のままでもいいけどさ・・・」


「?」


「隙見せて、迫られても困るだろ?」


「またぁ!そんな隙、見せませんって!!」



「・・・現に、今だって・・・いや、なんでもない」



・・・ヘンな部長・・・
何、急にそんな事言い出すんだか・・・