捨てないで


空は俺を見ながら
悲しそうに言った

「千尋君の言いたいことはわかった
でも、信じられない
でって千尋君
私がいじめられてるの見ても
何も言わなかったじゃん」

俺は、空が何を言っているのかが
わからなかった

「はぁあ!!
いじめられてるのなんて知らねぇよ俺」

「嘘!!
だって私がびしょ濡れでも
何にも言わなかった
ふつうわかるでしょ
制服までびしょ濡れなんて
おかしいって

なのに私を見ても
何にも言わず
素通りしたじゃん」

空の話を聞いて
ある日のことを思い出した

「俺、ある日コンタクト落として
全く周りが見えない日があった

そん時かもしんねぇ」

「千尋君
コンタクトだったの?
初めて知った

疑ってごめんね

私こそ千尋君のこと
何にも知らない

そんなんで千尋君の彼女
だなんて思っていたことが恥ずかしい

でも私も千尋君が好きです

私ともう一回付き合ってください」

そういって空は頭を下げた