ファースト ロミオ

それからちょっと経って、
姫芽の母さんが話をしに来た。


「魁斗くん
一つだけ… 一つだけでいいから。
私のお願いごと聞いてくれな
い?」

「なんですか?」

「あのね…
姫芽はアイドルになりたかったじ
ゃない?
だから… 代わりに
姫芽の代わりにアイドルになって
くれない?」

「えっ…?」

そんな事言われても…
喉まで来た言葉を押し殺した。
おばさんの気持ちがよくわかったから。

「お願い‼︎
姫芽は… もういないけど、
姫芽の気持ちは消したくないの!
お願い魁斗くん…」

おばさんは涙目だった。
少し考えた。

「考えさせてください。」

そう言ったらおばさんは笑って
俺の部屋を出て行った。