哀しみの瞳

発表の日が、否応なしで、やってきた。

その日も、一人で行く事にしていた。

理恵は、もう、何もかも、覚悟を決めていた。


ただ、気になる事を一つ除いては。



「理恵！！理恵！もう時間でしょ。早くに出るって、言ってたでしょ？今日も朝ご飯要らないの？だめよっ、ちゃんと、朝ご飯取らないと！」


「うーんっ、食欲ないしっ、ちょっと…」慌てて、洗面所へ走る。



「理恵！！どうしたの？大丈夫？…貴女最近ちょっと具合おかしいんじゃない？」


「うーん、大丈夫！…行ってきまぁーす！」


「理恵…顔色も悪いけど…本当大丈夫なの？もうっ…」




あれから、理恵は生理が遅れている事に気付いていた。体調の悪さが、どこから来ているのか、薄々勘づいていた。


先日、沙矢ちゃんと会っている時も、気付かれないようにするのが、精一杯だった。

あいも変わらず、優しくしてくれる沙矢ちゃん、ごめんね！心の中で、どれだけ、謝っても謝りきれない。
武さんも、同じだよ。二人共、本当に……ごめんなさい！