哀しみの瞳

理恵高校3年の夏休み~



平日は毎日図書館へ通っていた。沙矢も一緒だ。



「理恵っ、調子どうっ?」


「うーんっ、何とか着いていってるってとこかな?」


「秀さん、相変わらず?」



「もうっ、すっごい!スパルタ!!」


「また、週末必ず理恵とこに、来てるとか?」



「必ず来てる。お父さんもお母さんも、呆れてるよ!
よく、嫌にならないねって。一度ねぇ、仕事の都合で土曜に来れなかったの。そしたら、次の日。日曜日にね、朝一番に飛び乗って来たって、来るんだもの。みんなびっくりだよ!」


「秀さんの、愛だねぇぇっ…羨ましい!私も武さんの、愛が、思いっきり欲しいよぉー、
へへへっ!」



「何言ってんの、武さんとは、いつも仲良くしてるんでしょ?」


「まぁ、そこそこ。 でも、理恵聞いてよ!ひどいのよ!武さんって、私と一緒にいても、理恵の事ばかり聞いてくるの。ああっ今頃理恵ちゃん元気してるかなぁ?とか、理恵ちゃん勉強頑張ってるのかなぁ?とかっ。悔しいったら、もうっ!」



そう、言いながらも、必ず勉強を付き合ってくれる沙矢ちゃんが、理恵は唯一の親友なのだった。