理恵は、たまに目を開けたりはするが、長い時間は、話す事は出来なかった。ずっと手を握ってやっていると、安心したかのように、眠っていた。
やがて、重子が、秀一を連れて、病室に入って来た。
秀は、俯きかげんのその男の子が、自分の子であると、言われなくても、直ぐに分かった。自分の6才頃と同じ顔をしていた。園長達が言ってた通り………
(重子)
「私は、休憩室で待っていますから!しゅうちゃん!後でね?」
秀一は、重子が、去って行くのを、寂しそうに、見ていた。
(秀)
「秀一っ?……」その子は、口を開こうとはしない。しないどころか、その瞳の奥は、まるで自分を否定するかのような、鋭い目付きで、自分を見ている。
秀一は、一人で、つかつかと、理恵の所へ行き。
(秀一)
「お母さん!お母さん!眠ってるの?僕だよ、秀一。起きて!」
母親の頬を両手で挟み、覗きこんだ。
理恵の目が、少しあいた。
(理恵)
「んんっ?……秀一?秀一なの?」
(秀一)
「そうだよ!母さん。重ばあちゃんに、此処まで連れて来てもらったの」。
理恵は、ぼんやりと俺の顔と秀一を確かめるように見て、どういうふうに、言えばいいか、暫く考えていた。
(理恵)
「………ここに居るの…貴方のお父さんなの…突然…ごめんなさい」
秀一は、秀の方を見て、それから、理恵に向かって…
(秀一)
「僕には、父さんは、居ないよ!僕には、母さんだけで、充分だよ!
父さんなんて……
僕には、妹の由理は、居るし、まごころ園の人達は、居るし、重ばあちゃんだっていてくれるし………」
やがて、重子が、秀一を連れて、病室に入って来た。
秀は、俯きかげんのその男の子が、自分の子であると、言われなくても、直ぐに分かった。自分の6才頃と同じ顔をしていた。園長達が言ってた通り………
(重子)
「私は、休憩室で待っていますから!しゅうちゃん!後でね?」
秀一は、重子が、去って行くのを、寂しそうに、見ていた。
(秀)
「秀一っ?……」その子は、口を開こうとはしない。しないどころか、その瞳の奥は、まるで自分を否定するかのような、鋭い目付きで、自分を見ている。
秀一は、一人で、つかつかと、理恵の所へ行き。
(秀一)
「お母さん!お母さん!眠ってるの?僕だよ、秀一。起きて!」
母親の頬を両手で挟み、覗きこんだ。
理恵の目が、少しあいた。
(理恵)
「んんっ?……秀一?秀一なの?」
(秀一)
「そうだよ!母さん。重ばあちゃんに、此処まで連れて来てもらったの」。
理恵は、ぼんやりと俺の顔と秀一を確かめるように見て、どういうふうに、言えばいいか、暫く考えていた。
(理恵)
「………ここに居るの…貴方のお父さんなの…突然…ごめんなさい」
秀一は、秀の方を見て、それから、理恵に向かって…
(秀一)
「僕には、父さんは、居ないよ!僕には、母さんだけで、充分だよ!
父さんなんて……
僕には、妹の由理は、居るし、まごころ園の人達は、居るし、重ばあちゃんだっていてくれるし………」

