哀しみの瞳

(理恵)
「本田君、久し振りじゃない?たまには、ばあちゃん孝行しないと!おばあちゃん、寂しいでしょ?」


(剛)
「吉川としゅうと由理で充分、ばあちゃんは、幸せでいるよ!それより!!!」



(理恵)
「秀一…大きくなったでしょ?もうすぐ6才の誕生日だから…またいつものように、祝ってやってね!今年は、由理も一緒よ!」


(剛)
「吉川!!いい加減に、医者の言う事、訊けって!病院行ってないだろう?入院って、言われてんじゃないのか?その調子じゃ!」



(理恵)
「来年の春は、秀一…小学生になるのよ!私…何より楽しみにしてるの。由理もよちよち歩き出したし!
二人が一緒に遊んでるとこ見てると、本当幸せなの…」


(剛)
「だから!!聞いて無いのかよ!お前の体の事…みんな心配してんだぞ!」



(理恵)
「判ってるわ!有難う!必ず病院には行くわ!

それより!秀一の誕生日忘れないでよ!」

剛は、珍しく、深く溜め息をついた。

俺では、どうしようも出来ない。
どうすれば吉川は、自分の体の事をもっと考えてくれるんだろうか?


その時は…剛には、いい案などは、浮かばなかった。